ショートストーリー

毎週月曜日に短編小説投稿を目指します。ジャンルは様々。

虫とは

僕に痛覚は無いと思う。

痛覚というのは、例えば、簡単に言うと、
━━━━学者には怒られてしまうかもしれないが
体が危険な状態になった時に、危険だよ、このままだとこの体は壊れてしまうよ、死んでしまうよとそういったメッセージであると思う。危険な状態を何とか排除してもらおうという感覚これが痛覚なんじゃないかって。
ただ、もう助かりようのない、生き続けることの出来ない怪我や傷を負った場合は痛覚なんてものは実はないんじゃないかと思う。死んだことなんてないから分からないけども。例えば、切り傷が痛かったから、切腹が1,000倍痛いということはなくて、一定の痛さまで来たら、もう痛さなんて無くなるんじゃないかと。切腹したことなんてないけれど。
気絶したりというのはこの1種なのだと思う。
だから、足や腕がすっぱり無くなってしまったとしたら、僕は痛みに気絶してもう動かなくなると思う、痛覚があれば。

だから、僕に痛覚は無いと思う。
手足がなくなって、頭がなくなって、片方の太腿だけだけれど、こうして動けるのだからやはり痛覚はないのかもしれない。